君がくれた温もりで
人生の側には、いつも音楽があった。
なんのキャッチコピーだったろうか。
おそらく正確ではないがこのような響きと字面だ。
同期の運転する助手席にいる間、耳に馴染んだ曲ばかりが流れ込んできた。
同い年だから、流行りの曲に触れる青春が一致していた。
人生の側には、いつも音楽があった。
今、とあるグループの歌う作品を毎日聴きながら通勤している。
数年前まで全く興味のなかった、アイドルグループだ。
希望しか詰まっていない歌詞に気力を得ている。
アイドルというのは他人に活力を与えるプロなのだと知ったのは随分最近だ。
いつも笑って前向きなことばかり吐いてれば、変わるものもある。
音楽に元気をもらった私もそうしてみた。
自己啓発本みたいで、宗教みたいで、
でも不思議なことにいきなりチャンスが大量に降ってきた。
若干、消化しきれないほどに。
アイドルの曲を聴いて元気もらっていつも笑顔でポジティブでいれば人生うまくいくよ
などとは言わないが
私はそうなった。
運というものは輝いている人のもとにくるもんなんだ
と職場の誰かが言っていたが、本当なのかもしれない。
輝いているように見えないかもしれない。
運がいいと思っているのは自分だけかもしれない。
チャンスでもなんでもないものを拾い集めて突っ走っているだけかもしれない。
独りでいる私は可哀想だと言われているかもしれない。
人生の側には、いつも音楽があった。
音楽が呼ぶ記憶だけは、美しく見える気がする。