変わらないことがあるとすれば
昔から明るい色の髪をしている。
今までの人生で一度も髪を染めたことはない。
地毛だと知って驚く人がいる。
驚くとは相当だからそれほど明るいのだろう。
髪を切れば一層際立つのか、いい色にしましたね、などと褒めていただけることもある。
ありがとうございます。でもこの色は地毛なんです。
部署の人全員がこっちを見てざわざわしていた。
そんなにか。
朝、褒めてくださった人とエレベーターに乗り合わせた。
これ、地毛ってすごいですね!と。
日を越えても言うくらいだからそれほどに明るいのだろう。
こんな髪の色をしているから、学生のときは生徒指導担当の元へ親とともに説明に行った。
前職は日に当たることも多く、金色に近いような色で写真に写っていたりすることもあった。
染髪などご法度な職業だったので、就いていることを信じてもらえないこともあった。
などと話していたら、オフィスのある9階のボタンを押し忘れていた。
エレベーターは6階で下に降りるボタンを押した人を乗せるべく上昇した。
6階のオフィスの方は到着したエレベーターに人がいたことに戸惑っていた。
6階で降りても仕方ないので一緒に1階まで降りた。
改めて9階を押したが、地下1階で押した人のほうが早かったらしくエレベーターは下降した。
地下の駐車場から出勤してきた方は到着したエレベーターに人がいたことに戸惑っていた。
エレベーター内でビルを縦に往復する間、髪の色の話をしていた。
死ぬまでに染めてみてもとは思っている。
しかしこれほどまでに目を引く色をしているのであればと
今まで一度も染めずにいる。