きっと独りで生きていく。

ただのライフログ。

淡き光り立つ

血を分けた妹と、久し振りに会えた日。


体力以外のすべてが私に勝る妹。
どこでも生きていける人材だ。
私の企業も欲しがったけど、とても今と同じ給与は払えないから諦めろと一蹴した。
身体の弱い妹は自分が生きていける場所を自分でしっかり選んだ。


大抵の場所なら生きられる体力のある私は目の前にあるものにひたすら飛びついていった。
お互い、全く違う感性で幸せに生きている。


唯一の共通点は、遺伝による体質。
あまり燃費がよくなくて、夕食を抜くとパフォーマンスに影響が出る。
腹の出た父も夕食から炭水化物を抜いた途端に痩せ細った。
やっぱり血は争えないと、でも正直夕飯面倒なとき結構あるよねと、笑い合った。


幼い頃、頼んでもいないのにゲームボーイが私と妹に買い与えられた。
私はそのときからゲームに没頭し、妹は楽しさを理解できずに、私は一人で通信ケーブルを繋いでいた。
その頃から私と妹は違う人生を歩き始めていた。
あまり妹の面倒を見た記憶もなく、高校を卒業したら家を出て自衛隊へ。
妹は地元の有名大学へ進学して、つい最近まで実家で暮らしていた。


そんな妹との酒の話は仕事のことばかり。
今ではお互い管理部門。結局は血は争えない。
熱く語るでもなく、ささいな喜劇を紹介しあって大爆笑する。


妹の身体が弱いのは、私が母の腹から強靭になれる遺伝子をかっさらったからだと。
だから私は人並み以上の体力があって、妹は私の持たない全てをもって生まれている。
小さい頃は双子のように似ていると言われたのに、育つにつれて似ていないと言われるようになった。


強靭な身体をもたなくても、強ければ生きていける。
能力に乏しくても、強ければ生きていける。
私たちはどこでだって生きていける自負があるから、お互いそうだと知っているから、離れて暮らすのも寂しくない。


元気で、また会う日まで。