君だけが守れるものがどこかにあるさ
ここにいる家族一丸となって頑張っていくしかないんだ。そう言われた。
同じ部署だけど、なんとなく2つのチームに分かれて業務にあたっていた。
もう1つのチームが、全員時期を同じくして退職することを知らされた日。
上司にそう言われた。私のチームは家族だった。
私に似ているらしかった人は契約を切られた。
もう本当に家族しかいない。
もう1つのチームの方々、いずれ去っていくことは想像できた。話してくれた人もいた。
ここにはずっと残ろうなんて思わないでほしい。でも、自分が去るまでは辞めないでくれ。
そう頼まれていた。
いざ報告を受けて、その理由がよくわかった。誰かが去ると辞められなくなってしまう。
お世話になった方々だからその言いつけは守ろうと思っていて、
いずれ経験を積んだら私もどこかへとは考えていた。
こんなに早く、それも一気に訪れるとは思っていなかった。
そんな中、来期の方針が発表された。
半分になってしまった部署で、残された家族だけでどうにかできるとはすぐに思えなかった。
もう辞められなくなってしまった。それだけは確実だった。
今日と同じ明日が来ることが幸せだと、
そう言ってそんな日々が一向に訪れない。