きっと独りで生きていく。

ただのライフログ。

きっと誰にも奪われないモノが

失ったものは取り返せない。失ったことさえ気づかぬ者には同情もできない。


推しの卒業公演を観に行って、予想以上の喪失感に打ちのめされて。
そんな日に、実に4年振りに連絡を寄越してきた人と会ってきた。
勘案すべき事情はあったかもしれないが、差し引いても泥をかけるように消えたとしかいいようのない別れだった人。
自分からすれば、消息不明だった人。
色々と自分に言い訳して会うことにしたが、まあ、情が出てのことだった。


話を聞くにあまり変わってなくて、それでも少しマシになってるかなと感じていた矢先。
自然に見せるようでいて唐突にマル チの勧誘を切り出した。


絵に描いたようなクズが近くにいたもんだ。
あまりに典型的すぎてネタみたいだ。
こんな露骨なストーリー、自分の馬鹿さの証明に他ならない。


敵陣まで誘われるままに入りこんだ馬鹿は私だ。
相手の人数が多かったので大人しく次に会う約束をしてその日は去った。
どこまでも自己嫌悪の帰り道。


これでも心の支えを失って落ち込んでいたんだ。
誰に話しても笑うしかない追い討ちを受けて凹みに凹んだ。
お前みたいな奴がいるから生身の人間が無理になって独りで生きていこうと心の支えがアイドルになったりするんだよ消えてもらっていいですか。
推しの最後のSNS更新は愛に溢れているのに、人を澄んだ心で見れそうなのに、信じようかと思えばこんなことになる。
どんなギャグ漫画なんだろうこれは。


推しが贈ってくれた最後の言葉と、
自分が招いた喜劇のような災難の狭間で食欲を無くしていたが、
話した誰もが笑ってくれて気が晴れた。


おかげで冷静になったので
あからさまな嘘で約束を放って
地球を汚すと知ってて預かったDVDを川に放って
まさに奴がしたように泥をかけるように連絡をぶち切った。


そして推しが笑顔で写るポストカードが飾ってある部屋に帰ってきた。
なんだか腹が減ってきた。