きっと独りで生きていく。

ただのライフログ。

描きかけの今

あの頃の姿で、いつまでも。

 

自衛官だった頃の話。

ある課程を卒業するときに教官がムービーを作ってくれた。

流行りだった曲をBGMにして、私たちがぼろぼろになってる傍らで撮りためた写真を使って。

卒業時に一度、卒業から赴任までの休みに両親と一度、それっきり観ていない。

 

その中に一枚だけ気に入っている写真がある。それだけ覚えている。

稜線を小隊長とともに銃を携えて、通信機を背負って歩く写真。

夕日で影になって顔はほとんどわからないが、私だと自分ではわかった。

戦闘だったらいい的なのだろうが、様になる写真だった。

辛い訓練だった。汚れきった姿で悲壮感すら漂うように感じられた。

 

そのムービーは久しく観ていないのだが、当時の写真はたまに見ることがある。

自衛官という職歴を活かせたと思ったことはないが、初めて会う方との話題にはいつも事欠かない。

今はだいぶ顔つきも変わってしまった。

でも、写真の中の自分はいつまでもその頃の姿のままで。もう着ることのない戦闘服を着ている。

 

いつか自分が死んだとき。この世界が滅んだとき。

誰かが、もしくは何かがあのムービーを観たら、目に焼きつけられるのはあの頃の自分。

 

誰が読むわけでないブログを書き続けている。

この先独りで生きていけば、誰も私のことを語り継ぐ人はいない。

だから自分で書き残している。

 

自分の過去の姿が衆目にいつまでも晒され続けるのは耐え難いことのようにも思えるけど

いつか誰か思い出してほしいと今は願っている。