ありのままの君でいてほしい
勤務中、急に背骨の痛みに襲われた。
立てど歩けど座れども姿勢が悪い。
限界がきたのだと思った。
20歳の大学生でいたいと書いた翌日にはこの様である。
痛すぎて笑えない。
あまりに痛いので仕事にならない。
グーグル検索をかけた。
職場の方々に見られるわけにいかないのでトイレにスマートフォンを持ち込み
個室に立てこもる。
恐ろしいことしか書いていなかった、とだけ。
原因は姿勢から内臓疾患まで様々。
対処法を調べるための検索も路頭に迷うばかり。
ひとつ行き着いた。
肋間神経痛であるらしい。
背骨が痛むように感じるのは初めてのことだがこの症状は時折出会ってきた。
原因は
ストレス。
私がストレスを感じるなどあり得ない。
肋間神経痛ではないのだろうか。
やはり強行軍の旅行日程は肉体的にはストレスとなりうるのだろうか。
気づいていないだけで私は仕事が嫌いなのだろうか。
この葛藤は全てトイレの個室内でのことである。
ふと、本日の朝に
少し前に亡くした恋人のSNSアカウントが残っているのを発見したことを思い出した。
ストレスの正体がこれだとしたら私には何も術がない。
とはいえこのままでは仕事にならない。
こういうとき、いつも私は痛み止めに手を伸ばす。
体調が悪いのが耐えられない。90%以上の調子を保っていたい。89.9%ではいけない。
常用する割には耐性がつかず、市販薬でさえ効いてくると虚ろになってくることもある。
それも不調の一種ではと言われれば返す言葉もない。
痛みを忘れて虚ろになって今度は用を足すために個室に足を向けた途端
振った足が何か砕いた。
確実に個室の扉の何かが砕けて飛び散った。
拾い集めたが何を砕いたのかまったくわからずに終わった。
ストレスは背骨を軋ませ扉の何かを砕く。
痛すぎて笑えない。