その騒がしい声と涙を
同期のデートコースが完璧だった。
バスの到着地まで車で迎えに来てくれた。
そのまま話題の有名なカフェで朝食。
県を縦断するようにドライブをしつつ
名物料理で昼食。
道の駅と観光地に立ち寄って散歩をして
夕飯を軽く済ませ
夜景スポットまで車を走らせて
そのまま星空の展望台へ。
近年まれに見るイケメンぶりである。
ちなみに女性である。
観光ガイドに載る場所に連れるのではなく
自分が気に入ったところにだけ連れていってくれた。
私はインドア派だ。
東京へ友人が訪ねてきても
気に入った場所へ連れようと思えば
自宅に軟禁するほかない。
酒を飲めない人が楽しめる店も知らない。
独りで生きていくだろうからこそ
もてなしの心構えは必要かもしれない。
たまには休日に、大切な人を連れていくなら、
との想いを抱えながら外出もしなければならないかもしれない。
ただ、1人で探すのは少々ハードルが高い気はする。
スカイツリーに1人で上って、この景色を見せたいと思えるのだろうか。
ホテルまで横付けしてくれた挙げ句に
明日のコースも同期は決めてくれていた。
どこまでもイケメンな女性である。