きっと独りで生きていく。

ただのライフログ。

ハイライトとウイスキーグラス

20歳になったその日から、タバコを吸っている。

 

ろくでもない先輩がいて、

誕生祝いだと喫煙所に連れていかれ、激しくむせ返った。

顔を会わせればそのたびに付き合わされた、たたきあげ喫煙者である。

 

 

水を飲むかのようにタバコを吸う、と言った同僚の目は怪我人を見るようだった。

与えられた1日1時間の休憩は、細切れにして喫煙所とデスクを往復する。

食費を切り詰めてもタバコの本数は減らさない。

むしろヤニさえ食えば1食くらい平気な気がする。

 

顔のよく似た父も、吸っていた。

いつの間にかやめていた。

招いた客人との会話に聞くには

「タバコを吸わなければあれが買えたなどと言う人間は金のことをわかってない」

当時はすでに吸っていなかったような気がするが

タバコってそういうものだ。

 

 

禁煙したいのにやめられなくて悩む人を私は知らない。周りにいない。

 

禁煙したくないのに禁煙せざるを得なくなって半年くらい吸わなかったこともあるが

体調の改善は見られなかった。

ただ、小銭はよく貯まった。

 

 

たまたま私にとってはタバコだっただけだ。

誰しにもその人にとってのタバコがあるのだろう。

吸わなければ何かいいものが買えるくらい金を食う何か。

 

 

 

ただ、タバコは迷惑をかけるからな。

煙を纏ってなお人が離れない理由が私にあるなら、大事にしたいものなのだが。